カラスミ

  

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更新日:
 2010年9月5日



◎カラスミ:烏魚子(2006年6月)
 台湾の名産と言えば、カラスミ(烏魚子)があります。カラスミは、ボラの卵巣を塩干ししたものです。台湾では「烏魚子」(北京語:ウーユーツ、台湾語:オーヒージー)と言います。日本では、その形が唐の墨に似ているところから、カラスミ(唐墨)と呼ばれていて、豊臣秀吉にも献上されていたようです。
 洗ったボラの卵巣に、15%~20%の食塩をこすり漬け、漬けたものを真水で塩抜きし、7~10日間天日乾燥させて作ります。冬場の台湾南部沖が、漁場となっています。台湾での歴史は古く、17世紀にオランダ人が台湾南部に入植し、ボラの塩漬けを中国大陸に輸出し、さらにその卵巣を加工しはじめたのがカラスミのはじまりだそうです。つまりカラスミは、台湾の歴史的な特産品と言ってもよいでしょう。
 収穫期は毎年1月から3月頃までだそうです。また、年度によって豊漁であったり、そうでなかったりします。現在では、入手しようと思えば、1年中お目にかかれますが、なんと言っても収穫時期に捕れたものの方が良いようです。中国文化圏ではカラスミの収穫期はちょうど正月にあたり、特に台湾ではおせち料理の一品にカラスミが食卓に登場することが多いようです。
 旨味が凝縮されたコクのある味わいと、ねっとりした食感が非常に美味しいものです。台湾では、軽く表面を火であぶって、それを大根、キュウリやネギの薄切りと一緒に食べるのが一般的なようです。夜市でも、カラスミをスライスして、表面を軽くあぶったものとキュウリの薄切り(あるいは大根やニンニクの薄切り)とを一緒に串に刺したものを売っています。しかし、私は、そのまま薄切りにスライスして食べるのがベストだと思っています。ねっとりした食感で、酒の肴に最高です。
 カラスミは季節もので大量収穫ができず、高価で、出荷量もその年の気候によって左右され、養殖の量も少ないのが現状です。近年、台湾の水産大学で養殖ボラの稚魚にある種の刺激を与え、オスをメス化することに成功し、すでに商業化の段階に入っています。ボラの養殖は世界でも珍しく、台湾はその研究の最も進んでいる国ですが、その養殖ボラをすべてメス化すれば、カラスミ生産という付加価値が格段に高まり、養殖にも一段とはずみがつきます。現在、メス化の成功率は90%以上で技術は安定しています。この商業化が進めば、季節には関係なく安定した量産ができ、成り行きが注目されています。

 私は台湾に行った際、台北で時間があれば、台北駅から歩いて15分くらいのところにある土産物屋さんでカラスミを買っていました。ここでは1つずつ重さを量って、売ってくれます。価格は、2002年当時、100gあたり450NTD(4.5NTD/g、1NTD=3.7円換算で1gあたり17円)でした。また、端数は切ってくれますし、他のものと一緒に買えば、多少のネゴは可能です。空港でも立派なカラスミが売っていますが、ここで買った方が、空港の2/3くらいの価格で買うことができます。
 ちなみに空港の免税店では、2002年当時、150gのカラスミが1,000NTD(6.7NTD/g、1NTD=3.7円換算で1gあたり25円)でした。台北市内で買った場合の1.5倍の値段です。(高すぎる!)
 日本でもカラスミは売られていますが、三大珍味と言われているためか、非常に高価です。ネットで調べてみると、日本のある店では、100gあたり5,000円で売られているようです。台湾の空港で買う価格の2倍です!!台北市内で買う場合の価格の3倍です!!とても庶民には食べられませんね~。このことからも、台湾のお土産にはカラスミをお薦めします。何しろ、高級なカラスミを、お安く買うことができるのですから。
 ちなみに台北のお店の人に選ぶ時のポイントを聞いてみましたが、「大きいものが良い」と言っていました。色は、黄色っぽいものから、少し茶色がかったものまであります。私としては、色も品質に関係ありそうだと思ったのですが、お店の人は「天然ものだから、色は色々あるよ!形も色々だよ!でも、そんなの関係ない!大きくて重いものが良い!」としか教えてくれません。色とか、形とか、関係ないみたいです。一応、常温で1週間、冷蔵庫で1ヶ月、冷凍庫で半年は保存できるそうです。(冷凍すると、水分が抜けるので、風味や旨みが抜けてしまいます。)台湾に行ったら、絶対にカラスミを買って帰るべきだと思います。日本では、高くて買えないものの一つですから。

   

 その後、高雄に行く機会があったのですが、その時は台北に寄る時間がなかったので、高雄の人に「いつも台北でカラスミを買っているのだが、今回は買って帰れないので残念だ!」と言ったら、「何を言っているんだ!台北なんかでカラスミを買ったら、高いよ!高雄の方が安いし、高雄で買えばいいじゃないか!」と言われてしまいました。
 「高雄では、どこで買えるか分からないので教えてほしい」と頼むと、「じゃあ、連れて行ってあげるよ!」と車で案内してくれました。お店の場所としては、高雄駅からタクシーで5分くらい、歩いても15分~20分くらいの場所だと思います。店に到着すると、店の前にカラスミが沢山、干してあって、「今、作っています!」って感じでした。カラスミしか売っていないカラスミの専門店でした。
 良く考えてみたら、台北のお店は土産物屋さんであって、カラスミ屋さんではありませんでした。普通に考えれば、カラスミ専門店の方が安いに決まっています。しかも物価は台北よりも高雄の方が安いのだそうです。間違いなく、台北市内で買うよりも安いに違いありません。
 店の中には4~5台の冷蔵庫が置いてあり、その中に外から見えるようにカラスミが並べてありました。しかも大きさ(重さ)ごとに並べてあって、この列は300NT$とか、この列は400NT$とか書いてありますので、買う前から金額が分かるので安心して買い物ができます。
 さらに、ここでは生(干してあるから生ではないですが)のカラスミと、あらかじめ焼いてあるカラスミの両方を売っていました。私は、生のまま食べるのが好きですが、表面を軽く焼いて食べるのが正しいらしく、焼いてあるものは袋から出してそのまま食べられるのだそうです。
 生と焼いたものを買いましたが、合わせて800NTDでした。詳細に比べた訳ではないですが、感覚としては台北の2/3くらいの価格だと思います。もしかしたら、半額近いかもしれません。カラスミを買うなら、台北ではなく、高雄ですね!

 

お店(高雄)の外観です。日本語で書かれていますね。



お店の外では、こんな風にカラスミを干しています。

 
   
   
 こちらが、生のカラスミです。  こちらは、表面を焼いてあるものです。








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