意麺

  

  メニュー 

TOPページ 

中国 

台湾 

 台湾体験記 

 台湾の地理 

 台湾の料理 

 台湾のお土産 

 台湾関連news 

韓国 

インド 

シンガポール 

タイ 

インドネシア 

リンク 

更新日:
 2013年6月2日



◎意麺(イーメン)
 2種類の異なる麺料理の名前。

 意麺(イーメン)は台湾の麺料理ですが、2つの異なった種類があるようです。1つは台南発祥の「意麺」で、もう1つは、元々中国にあった「伊府麺(イーフーメン)」です。
 台南発祥の「意麺」は、台南の少し北側に位置する「鹹水(エンスイ)」という地域に住んでいた中国、福建省出身の人たちが 作り始めた麺だそうです。水を使わず、家鴨の卵と小麦粉を練って麺を打ちます。コシのある生地を 力をこめてこねあげるため、当初は「力麺」と呼ばれていたそうです。
 それが、この麺をこねる時に、思わず、口から「噫(イーッ)、噫(イーッ)」って出てしまい、その声から、「意麺」と呼ばれるようになったそうです。このため、昔は「意麺」ではなく、口偏がついた「噫麺」と表記されていたようです。
 この意麺は、普通の麺料理と同じく、生麺を茹でて食べます。台湾の麺料理の定番で、スープに浸した「湯意麺」と、浸すほどのスープがなく、ソースに絡めて食べる「乾意麺」があります。
 また、この台湾独自の意麺は、もう1種類の意麺と区別するため「鹹水意麺」とか、「福州意麺」と表記されることが多いようです。「福州意麺」と言っても、上述したように「福建省出身の人たちが作った」ことから「福州意麺」と呼ばれているだけで、中国の福建省から伝わった料理ではありませんので、中国の福建省には、「福州意麺」はありません。
 もう1つの「意麺」は、中国から渡ってきた「伊府麺(イーフーメン)」です。中国、清の乾隆帝時代に進士(科挙の合格者)となった伊秉綬(いへいじゅ:1754~1815年、書家)の屋敷(中国語で「府」)の厨房で開発されたそうです。「伊」は「伊秉綬」の名字から、「府」は「家、屋敷」という意味です。したがって、「伊府麺」とは「伊さん家の麺」という意味になります。
 伊秉綬は、乾隆54年(1789年)に進士となり(科挙に合格し)、刑部主事を授けられ、広東省恵州や揚州の知府(地方政府の長官)を歴任したそうです。このため、伊府麺は広東省が発祥とされています。
 「伊府麺」の発祥には、こんな話があるようです。伊乗綬は、驕らない性格で、地元の人に 人気があったようです。また、麺料理が好きだったようです。ある時、近所の人達から大量の「烏龍麺(うどん)」をプレゼントされたそうです。家族だけでは食べられない量だったため、茹でて調理したものを近所の人達に御馳走したそうです。その中で、湯に入れるべき麺を間違って油の中に入れて、揚げてしまったそうです。もったいないからと食べてみたら、揚げた麺も美味しかったことから、その後、改良を加えられ、現在の「伊府麺」になったということです。
 伊府麺は、小麦粉と鶏卵だけで麺を打ち(水を使わない)、一度、茹でてから、冷水で冷やし、さらに火であぶって乾燥させてから揚げた麺です。食べる前には、再度、茹でて、戻して食べる特殊な製法の麺です。一度、揚げてあるため、多少、長持ちするのだそうです。このため、インスタントラーメンの原型とも言われています。
 揚げるといっても、焼きそばのように色づかせ、固く揚げるのではなく、低めの温度で揚げます。また、食べる時には汁に浸しているため、独特のくたっとした感触があります。普通の麺のようには伸びませんし、つるつるシコシコとした食感ではなく、プツンプツンとちぎれるような噛みごたえです。広東省では、雲呑麺に使われることが多いようです。台南では、タウナギ(鱔魚)を具にした意麺や、鍋焼きにした意麺(鍋焼意麺:コーサオイーメン)が名物となっています。
 最近では、上記2つの他に、油で揚げて作るインスタントラーメンも「意麺」と呼ばれることがあるようです。このため、街の食堂に入った時、「意麺」と書いてあっても、自分で麺を確認しないと、どの麺料理のお店か分からないそうです。









inserted by FC2 system