牛肉麺/牛筋麺

  

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更新日:
 2011年7月6日



◎牛肉麺(ニューローメン)(2012年2月)
 牛肉が載った麺料理。

◎牛筋麺(ニューチンメン)(2012年2月)
 牛筋が載った麺料理。

 台湾では、「牛肉麺」という料理が有名で、美味しいです。これは、「ニューローメン」と呼ばれていますが、「牛肉の入ったうどん」と言えば分かりやすいと思います。決して、「牛肉ラーメン」ではありません。しかし、お店によって、見た目も味も、全く違う「牛肉麺」が出てきますので、どれが標準的な味なのかは分かりません。
 牛肉麺は台湾が発祥の料理だそうです。約60年前、中国大陸から台湾に来た中国人が始めたようです。台湾の中壢市に行った時、台湾の人から、「中壢は牛肉麺の発祥の地ですよ」と教えてもらいました。どうやら中壢市が牛肉麺の発祥の地のようです。そのせいか、中壢では、古くから非常に多くの牛肉麺のお店が、味を競い合ってきたようです。
 基本的に、牛肉と麺とスープの組合せが「牛肉麺」だと思うのですが、現在では、その組み合わせは無限にあるようです。
 まず、牛肉ですが、ゴロっとした塊の店、薄くスライスした店、その中間くらいの適度な大きさの店など、形も大きさも様々です。当然、使っている部位も店ごとに違います。さらに牛肉ではなく、牛筋を使った麺もあり、こちらは、牛筋麺と呼ばれます。また、牛肉と牛筋を半分ずつ入れて2種類の味を堪能できる半筋半肉麺というのもあります。
 麺は、細くてラーメンの麺くらいの麺から、ごく普通のうどんくらいの太さの麺、極太のうどんくらいの麺、さらには、きしめんみたいな平たい麺など、お店によって様々です。また、細くて丸い断面の麺もあります。ただし、ラーメンの麺のように灌水は使っていないので、「ラーメン」ではなく、「うどん」の方が近いと思います。
 スープは、基本的には「清燉」と言う牛骨ベースのスープであっさりしたものと、「紅焼」と言う砂糖を油で炒めて醤油を加え、さらに唐辛子などを入れたこってり系のスープの2種類があります。
 「清燉(チントゥン)」スープは、その名の通り、スープは澄んだ色をしています。醤油が入っていない上、辛いものや漢方類なども入っていない、極普通の牛骨ベースのスープなので、味はあっさりしています。お店によっては、これに醤油が入っていたり、牛骨をじっくりと煮込んだ白っぽいスープなど、いろいろな味のスープがあります。
 「清燉牛肉麺」は、回族(イスラム教徒の少数民族)をルーツとする「清真牛肉麺店」から伝わったものとされています。「清真」とはもともと、イスラム教の「動物を生け贄として処分する時は、清潔にしなければならない」という伝統的な慣わしを指した言葉です。
 「紅焼(ホンシャオ)」スープは、牛骨スープ、醤油、砂糖、酒、生姜、ニンニクやネギなどを長時間、コトコトと煮込んで作り、豆板醤や漢方類、八角などが入っていたりして、ちょっと辛めの味付けです。スープに赤い艶が出ているのが特徴です。
 元々は、上記の2種類のようですが、現在では、さらに「川味」スープというのも一般的な味の一つになっています。これは、台湾で発展した四川風の牛肉麺です。四川風ということで、辛い味のスープが特徴です。四川省から高雄の岡山に住み着いた退役軍人が、出身地である成都の「牛肉紅湯」の作り方に、岡山名産の辛味の効いた豆板醤を加え、茹でた麺を組み合わせて出来上がった料理のようです。
 このため「四川風」であっても四川料理ではありません。この「川味牛肉麺」は、上述したように台湾の高雄、岡山の眷村で生まれ、台湾各地に広く伝わった後に、台北で広まるようになったそうです。これが紅焼牛肉麺の前身にあたるそうです。
 また「清湯」牛肉麺は、清燉牛肉麺に似ていますが、全く異なった方法で作られているそうです。牛骨、ニンジン、トウモロコシがベースの薄味のスープを、麺と牛肉の薄切り、生姜の千切りを器に盛り付けた上から熱い状態で注ぎ入れるのだそうです。台南の一帯でよく作られている牛肉麺です。
 最近では、「蕃茄(ファンチエ)牛肉麺」という牛肉麺も女性を中心に流行っているそうです。「番茄」とは「トマト」のことなので、その名の通り、トマト味のスープの牛肉麺です。これを聞くと、ちょっとどうか、と思うのですが、結構、合うのだそうです。私も、台湾の女性に勧められましたが、まだ、食べる勇気が出ず、食べていません。この牛肉麺は、「茄汁(チエジー)牛肉麺」と呼ばれることもあるようです。「茄汁」とは「トマトスープ」のことで、蕃茄牛肉麺と同じ意味です。
 また、「カレー牛肉麺」や、茶の香り高い「茶香牛肉麺」、肉、スジとモツを使った「牛三宝麺」、辛味の効いた「麻辣牛肉麺」、スープのない「牛肉乾拌麺」など、新しいメニューも次々登場しています。 通常、牛肉麺屋さんのテーブルには「酸菜」がおいてあります。これは、好きなだけ入れて食べることができるお店がほとんどです。パッと見たところ、日本人だったら「高菜」かと思うのですが、「高菜」ではないようです。台湾では、牛肉麺には酸菜が欠かせないのだそうです。牛肉麺は、結構、量が多いと思うことが多いので、途中で酸菜を入れて味を変えて楽しむことも必要かもしれません。こういうトッピングも、お店の雰囲気とともに、味を判断する材料になります。
 2001年当時は、どこのお店でも、1杯、100台湾ドル(約350円)~150台湾ドル(約530円)くらいでしたが、2010年時点では、150台湾ドル~180台湾ドルくらいに値上がっていました。もちろん、もっと高いお店もあると思いますが。どこのお店で食べても美味しいし、味が様々ですので2~3回、食べ続けても飽きません。台湾にしかない料理だと思いますので、台湾に行ったら、毎回、食べたい料理です。




   こちらは、細い麺です。(清燉)



   これは、麺が平たくて太いタイプです。(清燉)



   こちらは、麺がうどんのように太いタイプです。(清燉)



これは、紅焼牛肉麺です。



   これは、「川味」牛肉麺です。四川風ということで辛い味です。



こちらが「牛筋麺」です。



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